すぐに停止するファンヒーターはシリコン除去を

別荘生活

別荘の中には通常の住居に比べて簡素なつくりのものが多く、気温が安定した夏場はよいとしても、冬場は暖房がなければ室内が寒すぎてとてもまともな暮らしができない場合も存在します。
こうしたときに効果的なのが、石油ファンヒーターなどの灯油系の暖房器具です。

ファンヒーターも長年にわたって使い続けていると、不完全燃焼などのエラーコードを表示させていきなり停止してしまうことがあります。
また、運良く点火したとしても、まるで暴発のような大きな音がして、本体から白い煙を吐くようなこともあります。

こうした不具合は点火プラグに付着したシリコンが原因のことがありますので、本体の内部まで清掃しなければなりません。

シリコンが原因の故障とは

石油ファンヒーターを使っていたところ、不完全燃焼のエラー表示が出て着火しない、または着火してもすぐに自動消火してしまう場合があります。
さらにひどい場合には、内部で暴発したかのような音がしたり、温風口から白い煙を吐いたまま運転してしまうようなこともあります。

これらの症状にはいくつかの理由がありますが、まずは空気取り入れ口のフィルターにホコリが詰まっていたり、灯油タンクの受け皿にゴミが溜まっていたりすることが想定されます。

しかし、いくらフィルターの清掃をしてもなかなか改善しない場合、シリコンが原因であることも少なくはありません。

ヘアスプレーなどには微量のシリコンが含まれていますが、これらを室内で使用した場合、長い年月の間に石油ファンヒーター内部にある点火プラグにシリコンが付着してしまい、燃焼のさまたげになることがあります。

したがって、ファンヒーターの故障を解消するには、本体内部の清掃によりシリコンを除去しなければならないことになります。

ちなみに、こうした作業を専門業者に依頼すると、少なくとも1万円から2万円以上の出費となるのは避けられません。
ただし、自力で分解した場合には保証の対象から外れてしまうことがありますので、保証を適用して販売店などを通して修理をするのがベストなのか、それとも責任を自覚の上で自力で修理するほうがメリットが大きいのかを、あらかじめ見極めておくことは重要です。

まずは前面カバーを取り外す

ファンヒーター内部の清掃は、意外と簡単に行うことができる場合があります。

まずはコンセントを抜いて本体が作動しないようにした上で、本体の下部にあるネジを家庭にあるプラスドライバーでゆるめます。
ネジが左右に2箇所あれば、その2箇所ともネジを外します。

そうすると、手で簡単にファンヒーター前面のカバーを外すことができるようになります。

燃焼室のカバーも取り外す

前面カバーを取り外すと、さらにファンヒーター内部の燃焼室のところにも金属製のカパーが控えています。

こちらも下部にネジがありますので、プラスドライバーを用いてネジを外します。

燃焼室のカバーはネジのない上方では鉤爪で引っ掛けるようにして固定されていますので、爪の部分を折ったりしないように、慎重にカバーを取り外します。

力まかせに取り外そうとすると、爪の部分はすぐに折れ曲がったり、欠けたりしてしまいます。

燃焼室内の点火プラグを清掃する

カバーをすっかり取り外すと燃焼室内が見えてきます。

つくり自体はシンプルで、右手にL字のロッド状になった点火プラグが伸びているのがわかるはずです。

新品であればこの点火プラグは黒っぽい色をしていますが、写真のとおりシリコンが大量に付着して白っぽい色合いになっています。

そこでこの点火プラグをヤスリ(紙ヤスリでもよい)などで磨いて表面のシリコン成分をこすり取ります。

十分にシリコンの除去ができれば、最初の手順の逆にカバーを取り付けてネジで締め上げて元通りにします。