冬場に不可欠な別荘の水抜き作業

ガス給湯器

別荘生活

別荘は一般的な住宅とは違って、たとえば夏休みのシーズンなど時期を限って利用されることが多いといえます。
こうした利用特性上、逆に利用しない時期に備えたメンテナンスをしっかりと行っておかないと、建物を良好に維持することが困難になる場合があります。

とりわけ積雪や凍結のおそれがある冬場の維持管理は重要で、そのひとつに事前の水抜き作業が挙げられます。

冬季の水抜きはなぜ重要か

南北に細長い日本列島のうち、特に東北や北陸などの緯度の高い地域では、冬場の気温が氷点下に達することは珍しくありません。
こうした地域では、冬場の寒気にさらされた水道管の中の水が凍ってしまうことがあり、特に気温がマイナス4度を超えると凍結のリスクが高いといわれています。

水道が凍るとどんな問題があるか

水道管の中の水が凍結すると、次のようなトラブルが生じることがあります。

凍結した箇所で水の流れが止まり、水道が使えなくなってしまう。
凍結によって膨張した水が給水管を破裂させたり、給湯器を故障させたりする

単なる凍結であれば、気温が上昇する日中になれば水道が復活するものですが、もしも給水管の破裂や給湯器の故障となればそうもいきません。
ちなみに、ここで深刻な水道トラブルに対処するための費用の具体例を紹介しておきます。

水道管(鋼管の場合)の解氷作業:1万円程度
給水管の破裂修理:1.5万円程度
家庭用給湯器の熱交換器交換:5万円程度
給湯器の全部交換:15万円程度

一見してわかるとおり、高額な修理費用や工事費用がかかってしまいますので、冬季に別荘を放置する場合は、事前に水道管の中から水を抜いておく、いわゆる「水抜き」の作業を行い、水道管や給湯器の凍結を未然に防止することが重要です。

まずは止水栓を止めること

止水栓

冬場の別荘管理で重要な「水抜き」の作業ですが、その手始めとして、別荘に引き込まれている給水管の大元にある止水栓を止めることが挙げられます。

建物のある敷地内に、写真のような蓋のついたボックスがあれば、その中に止水栓が格納されているはずです。
この止水栓には通常であればハンドルが付いていますが、操作に特別な器具が必要なタイプもあります。

蛇口を開いて水を出し切る

水栓

止水栓が閉じた状態で、室内外のどこでもよいので水道の蛇口を全開にします。

すると給水管の内部に残っていた水が出てきますので、1分くらいはそのまま放置して水を出し切ります

わざわざ建物の中に入らなくても、ふだんガーデニングなどで使っている屋外の水栓があれば、その蛇口をひねって水を追い出すのでもよいでしょう。

給湯器のガスを閉じる

ガス栓

続いて給湯器の内部に残っている水を抜き、凍結を予防します。
外気温が極端に低くなる冬場を迎える準備として行うほか、長期間にわたって不在となり給湯器を使用しなくなるときにも同様にこの作業を行います。

ガスボンベから伸びている管の途中に付いているガス栓を閉じます。管と平行方向であればガス栓が開いていることになりますので、これを90度の垂直方向に倒してガスをせき止めるイメージです。

給湯器の給水栓を閉じる

給水栓

ガス栓以外にも、給湯器の周囲の配管には給水栓と呼ばれるものが付いています。
この給水栓を閉じて、給湯器の内部に水が流入しないようにします。
寒冷地などで別に不凍栓がある場合には、不凍栓を閉め、給水栓は開けてください。

給湯器の電源を切る

コンセント

室内に温度の設定などができるリモコンがある場合は先にリモコンの電源を落とし、その後に屋外にあるコンセントを抜いて、いったん電源を切ります

もしも屋内にリモコンがない場合には、屋外にあるコンセントの操作だけで足ります。

給湯器の水抜きをする

ドレン

給湯器の下部を見ると、いくつかの水抜き栓があるはずです。これらの水抜き栓を開けて給湯器内部の水を排出します。

なお、給湯器を使用した直後には内部のお湯の温度がかなり高温になっていますので、かならず給湯器が冷めてから行ってください。
もしも給湯器の使用直後に水抜き栓を開いてしまうと、いきなり熱湯が吹き出してやけどをするおそれがあります。

水栓を凍結させないためのテクニック

保温

上記のような水抜きの作業は、水栓の冬季凍結を防ぐために確実性の高いテクニックといえます。

そのほか、水栓に発泡スチロールその他の冷気を遮断できるものを巻き付けておいたり、寒冷地用のサーモスタット入りのヒーターを配管に巻きつけておくなどのテクニックもあります。

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