別荘地の上水道の確保について
別荘地といえば山間部や僻地に建てられていることが多く、定住を目的とした住宅が密集する市街地とは、おのずと公共インフラの整備状況が大きく異なります。特に水道に関しては、短期の滞在であったとしても欠かせないインフラだけに、あらかじめ確保の目処が付いていることが望ましいといえます。
別荘地における水道の確保
定住目的の住宅が密集する市街地では、自治体が運営する公営上水道を利用でき、一定の水道加入金と毎月の水道使用料を支払えば、問題なく安全な水を宅内に引き入れることができます。
いっぽう、山間部や僻地にある別荘の場合、自治体の給水区域外に位置していることも少なくはないため、独自に水源を確保する必要があります。もしも分譲地が広大であれば、分譲地全体で私設水道を用意しているのが一般的ですが、公営水道と比較するとかなり加入金や使用料が高額であり、別荘購入にあたってもよくよく考慮しておく必要があります。
また、分譲地全体としての水道がない場合には、個別に井戸を掘るか、近くの沢水などで水道の代用をさせることになります。個別の井戸の場合、使用頻度が低いと水が汲み上げられず、濁りや雑菌混入が発生することがあり、保健所から飲用不適格と判断される可能性もあります。
井戸を掘る費用は30万円から50万円程度というのが相場であり、水質があまりよくない場合には、鉄分や濁りなどをろ過するための装置を経由する必要がありますので、さらに10万円程度がプラスされます。
下水道についても考慮の必要が
水道も通っていないような別荘地であれば、当然ですが下水道供用区域外であることが多く、その場合は合併処理浄化槽を設置して敷地内で汚水処理を行うこととなります。合併処理浄化槽は、台所やトイレからの汚水を一つの設備で処理し、上澄みを地下に浸透させる仕組みですが、こちらも設置には100万円程度はかかります。
中古の一戸建て別荘の購入や、所有地の上に新規で別荘を建築することを検討している場合には、上下水道が整備されているかどうか、自前で整備できる見込みはあるかなどもしっかりと考慮に入れることが重要です。