別荘で冬場を快適に過ごせるか要チェック

別荘生活

別荘は余暇やレクリエーションを楽しむための住宅であり、生活の本拠は別にあるのが前提となっています。しかし、最近は定年退職後の「第二の人生」をもっぱら別荘で過ごしたり、もともと別荘として建てられた住宅をマイホームに転用したりする事例が増えています。こうした場合に気をつけておきたいのが、その別荘で冬場のシーズンを快適に過ごせるかどうかです。

別荘は定住の場になりつつある

別荘というものは、通常、自宅とは別に、夏休みや週末などの短期間だけ滞在して、気持ちのリフレッシュやレクリエーションを楽しむための場所とされています。こうした使い方を前提としているために、別荘は海沿いや山の奥など、自然に囲まれた場所に位置することが多いものですが、そのいっぽうで交通アクセスが不便で、定住には向いていないこともあります。

しかし、最近では定年退職などの機会を利用して、別荘に定住しようとする人も増えてきています。特にバブル経済の崩壊後は、地方の小規模な別荘やリゾートマンションの中古の販売価格は大幅に値下がりしており、別荘として建てられた物件を定住用に購入するケースもみられるようになりました。

魅力的なリゾートマンションは経済的負担も大きい

豪華な設備が整ったリゾートマンションはとりわけ魅力的ですが、短期滞在と定住とは質的に異なることを考慮する必要があります。

例えば、リゾートマンションには温浴施設やレストラン、フィットネスルームなどの設備がありますが、設備があったとしても夏場だけ、あるいは冬場だけといった、限られた期間しか開業していない場合もあります。
逆にいえば、24時間、年間を通じてこうした設備を運用しているリゾートマンションは、その経費として多額の負担金や共益費を入居者から徴収しているケースが多いものです。
大規模修繕工事の積立金などは、以前の持ち主が滞納しており、その負債を後から購入した人が全額肩代わりして支払わなければないこともありますので要注意です。

また、リゾートマンションは自然豊かな場所に建てられているため、都市部とは違って周辺にコンビニやスーパーマーケットがない場合がみられます。
定住目的であれば、最低でもマンションの近くにコンビニエンスストアやスーパーマーケット、ホームセンター、病院や介護施設がないと生活ができません。遠方の都市施設までわざわざマイカーで出かけなければならないとすれば、移動の際のガソリン代やバス代などは膨大なものとなります。

戸建て別荘は冬場の滞在が可能か確認する

戸建て別荘の場合であっても、管理会社がある別荘地に建っている物件は、リゾートマンションに匹敵する管理費や負担金の支出が避けられないおそれがあります。
自主管理の物件ではこうした管理費などの負担がないか、大幅に少ないケースが多いものの、その代償として、共益施設である私道の舗装や共同井戸の故障修理、街路灯の交換などが困難になり、アメニティが低下することも想定されます。

また、別荘の立地は山間部に多いことから、特に冬場でも快適に滞在できるかどうか、またできる場合であっても雪下ろしなどの特別な維持管理の手間が必要になるかどうかは、あらかじめくわしくチェックしておきたいところです。

豪雪地帯の別荘の場合、冬場は雪に埋もれてしまうため建物が使えませんし、建物自体は使えるとしても途中のアクセス道路の除雪がままならず、別荘に近づけないことがあります。
井戸水を上水として使用する場合には、給水管が凍結して水道が止まってしまうことも少なくありません。なかには雪解けのある2月、3月の時期まで使えないケースもあり、こうなると年間を通じた定住はかなり困難です。

積雪地帯でも快適に滞在できるサービスを提供する別荘地も

もちろん積雪地帯の別荘であったとしても、管理会社が自前で除雪機を所有しており、別荘地内の除雪活動をして道路を啓開したり、土地の持ち主の依頼に応じて給水管の水抜きなどの冬支度をしてくれるサービスがあるところもみられます。

もちろん自主管理物件などと比較すると、管理費の金額がかなり高めになることは否定できないところですが、冬場も快適に過ごせる事例があることは、別荘選びの際には頭に入れておくとよいでしょう。