別荘に侵入する野生生物には要注意
住宅は人間にとって住みやすい環境であることはもちろんですが、これは多くの野生生物にとっても同じことがいえます。
別荘の内外に勝手にやってくるこうした野生生物、いわゆる害虫や害獣は、将来にわたって別荘を良好な状態に維持する上での大きな支障となってくることがあります。
別荘の害虫や害獣は一般住宅とは種類が違う
在来工法の木造建築であれば、害虫や害獣といえばネズミやゴキブリなどがすぐに思い浮かびます。そして身近なホームセンターなどに行けば、たとえばネズミ避けのための燻蒸剤などといった、住宅を守るための効果の高い手段もいろいろと用意されているものです。
もちろんこうした一般住宅に出没する野生生物は、別荘においてもやはり出没しますので、追い出す方法も一般住宅と同様です。
しかし、別荘の場合には、日頃は人間の出入りが乏しいこと、海沿いや山奥といった自然豊かな環境に建てられていること、勾配天井やロフトの採用など構造が特殊なこと、といった理由もあいまって、一般住宅とは異なる種類の野生生物の被害に悩まされることも多いものです。
具体的な野生生物の種類と対策は
ハクビシン
ハクビシン
はイタチやネコ、アライグマのような容姿の野生生物で、鼻筋が白い毛でおおわれていることからこの呼び名があります。
もととも日本にいた生物ではなく、外来種といわれていますが、現在では日本全国の広い範囲で棲息が確認されるようになっています。
ハクビシンはしばしば住宅の床下や天井裏などに住み着いてしまうことがあります。
一般住宅と違って、別荘の場合は基礎をはじめ簡素なつくりであり、明かり取りの天窓などの開口部も多いことから、それだけ野生生物の侵入を許してしまいやすい状況です。
もしもハクビシンが床下や天井裏に住み着いた場合、断熱材やその他の部材を破損されたり、ダニなどの害虫が繁殖しやすくなってしまうなど、さまざまな被害が生じてしまいます。
対策としては、まずは床下や天井裏に続く穴をベニヤ板などで塞ぐことですが、そのほかに木酢液やハッカ油などの刺激物を用いて追い出す方法があります。
シカ
シカ
といえば山奥に棲息するイメージですが、最近では間伐などで良好に管理された森林が少なくなったことから、餌となる草木を求めて人里に頻繁に降りてくるケースが少なくはありません。
シカは庭や畑に集団で出入りし、せっかく植えられている花や苗を食べてしまったり、木の皮のやわらかい部分を剥いだりすることで被害を引き起こします。鋭いツノが外壁に当たってキズが付いてしまうこともあります。
シカの被害を防止するためには、敷地の外周にネットを張ること、あるいは高い柵を設けることが挙げられます。
キツツキ
キツツキ
は都市部ではあまり見かけない鳥ですが、別荘のある山間部では比較的よく飛来する鳥です。
キツツキは虫を捕まえたり巣穴を掘ったりする目的で、別荘の外壁をくちばしで叩いて穴を開けてしまうことがあります。
外壁に穴が開いてしまうと、そこからハクビシンのような別の野生生物が侵入して住み着いてしまうことがありますし、雨水が入り込んで木材のカビや腐食の原因になることもあります。
キツツキの被害を防止するためには、軒下にネットを張ったり光り物をぶら下げて威嚇することが挙げられます。