不動産を相続したときの登記費用と必要書類とは
土地や建物のような不動産は、不動産会社やその他個人から購入することもできますが、亡くなった人から相続によって取得する場合もあり得ます。こうした場合には相続登記とよばれる登記をして名義変更を行うますが、この手続きにはさまざまな書類が必要な上に、いくらかの費用がかかるものです。
相続登記にあたっての必要書類とは
まず相続登記とはどのようなものか
亡くなった人の遺産のなかには現金や預貯金のほか、不動産が含まれているケースは少なくありません。
相続登記というのは、家族や親族が亡くなった場合に、その人から土地や建物を相続した人が、以前の持ち主である亡くなった人から自分のものへと名義を変更するために行う登記のことです。
この相続登記は複雑なことから、不動産登記の専門家である司法書士に依頼をすることが多いものですが、当然ながら依頼をすれば司法書士報酬の支払いが余計に必要となるため、手間はかかりますが自分のちからで書類の収集や作成を行い、申請に持ち込む方法もあります。
相続登記に先立つ遺産分割協議
相続登記の申請に先立ち、法定相続人の全員が集まって遺産分割協議と呼ばれる会議を開き、そのなかで法定相続人のいずれかの人に不動産を相続させることを決めるのがふつうです。
民法のなかには法定相続人や相続分の規定がすでに盛り込まれていますが、実際に法律どおりに遺産を分け合うと不都合が生じることもあります。
たとえば不動産は現金とは違って物理的に複数の人で分け合うのが難しいため、たとえば相続人全員の共有として持分を規定したり、土地であれば分筆して面積で分ける方法があります。
しかし、共有では不動産を売却する場合にいちいち他の権利者の同意をもらわなければなりませんし、土地も分筆で細切れになってしまうと使い勝手が悪くなります。
こうしたことから、遺産分割協議によって相続人同士の合意を得て、かならずしも法律どおりではないものの、個々の事情に応じてメリットがより大きくなる分け方をするわけです。
相続登記の必要書類とは
遺産分割協議を行う場合の相続登記の必要書類としては、次のようなものが挙げられます。
遺産分割協議の決定事項を記載してそれぞれの法定相続人が署名捺印する
遺産分割協議書の捺印はいわゆる三文判ではなく、印鑑登録された実印であること
法定相続人全員分の印鑑登録証明書および戸籍謄本または抄本
亡くなった人の戸籍謄本や除籍謄本、住民票の除票または本籍地が記載された戸籍の附票
戸籍謄本は出生から死亡までの連続したもの
実際に不動産を取得する人の住民票
不動産の固定資産評価証明書
登録免許税の額に相当する収入印紙を貼付した台紙
登記申請書
相続登記の費用はいくらかかるか
相続登記をする場合の費用ですが、まずは必要書類を集めるための郵送料や手数料が挙げられます。
この場合の書類というのは、さきほど見た亡くなった人の戸籍謄本や除籍謄本、法定相続人全員分の印鑑登録証明書や戸籍謄本または抄本などを指しています。
遺産分割協議書は自前で作成しますが、他の書類は市町村役場に申請して交付を受けなければならず、その際に交付手数料や郵送料がかかります。
ほかには申請時に納付する登録免許税が挙げられます。
登録免許税は土地や建物の評価額に対して税率を掛け算した金額となっています。
そのため評価額の高い物件では税額もかなり高額となりますが、租税特別措置法の規定により減額されることがあるため、計算間違いのないようにしましょう。
相続登記を専門家である司法書士に依頼をして手続きをする場合、司法書士報酬がこれらにプラスされます。